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地域の高齢化と、ママの働く場所を考え、
まちを楽しくすることに全力で取り組む、
まちのキーパーソン」のこれから

東淀川区に本社を構えるリフォーム・福祉用具レンタル販売会社
「株式会社ソレイユ」の代表取締役、そして3人の男の子のママでとして奮闘する中井まひるさん。
「ソレイユ」=太陽という社名通り、明るくエネルギッシュな女性です。
中井さんは今年の夏、「ショッピングタウンエバーレ」の1階に、体験型介護福祉ショップ「ママのしごとば」をオープン。
子育て中のママがいきいきと働くことができる「ママのしごとば」を拠点に、さらにまちを楽しく、元気にするためのさまざまな取り組みと、今後の展望についてお話を伺いました。

商業施設にかつてのにぎわいを!

“にぎやかし”の依頼から生まれた体験型介護ショップ

淀川を見下ろす大規模団地「エバーグリーン淀川」の中にある「ショッピングタウンエバーレ」は、かつてはジャスコやパチンコ店などで賑わうまちの中心的な存在でした。現在その活気はなく、営業している店舗は80テナント中10テナント。

体験型介護福祉ショップ「ママのしごとば@東淡路」が入居するきっかけになったのは、管理会社の所長からの依頼でした。ソレイユが主催する地域のイベントや、東淀川区を盛り上げるために中井さんがさまざまな取り組みをしている事を知った所長さんから「空きテナントを利用して場所を貸すので、にぎやかしをしてほしい』というものでした。

中井さんは「エバーレは非常にポテンシャルの高い場所だと感じましたが、私がやりたかったのは、その日限りではなく、継続的にやれること。テナントを構え、しっかり腰を据えてショッピングタウンに関りたいと思いました」。想いは伝わり、今年7月1日、エバーレ1階の一番手前のテナントに、体験型の介護福祉ショップ「ママのしごとば@東淡路」をオープン。入居後の8月7日には、エバーレのイベントスペースで大規模なイベントを開催。

収容スペース約300人の会場には予想をはるかに超える2000人が集まり、イベントは大成功を収めました。

買い物ついでに立ち寄れる東淀川区唯一の来店型介護福祉ショップ

介護福祉ショップを運営する背景には、建築士として介護やバリアフリーの専門的分野で仕事をしてきた中井さんの確かな実績があります。これまで安全配慮を要する幼児教室などの店舗や、オーダーメイド住宅の提案、さらに介護施設なども受注。車いすのスロープなど介護用具を使った事業には5年間管理者として取り組んできましたが、カタログを持って事業所を回るルート営業スタイルに疑問を感じていました。

「エンドユーザーと生の取引ができない。エンドユーザーの方に直接ご要望ご希望をいただいて、直接取引をしたい」という強いを形にしたのが、来店型の介護福祉ショップでした。

エバーレの上階には4棟のマンションがあり、1406世帯3000人のうち40%、つまり1200人が高齢者という現状。これまではマンションに住む人が、例えば実際に車いすが必要になった時、区役所の介護窓口や、介護事業所などに相談するのが一般的でしたが、大通りを渡って、足を伸ばして行かなければなりませんでした。

「ママのしごとば@東淡路」ができたことにより、マンションの入居者はエレベーター一つで来店できます。「1階にお買い物に降りて来られて、こんなのあるんや、って寄られていくお客さんが多いですね」。店舗を構えている来店型の介護福祉ショップは、東淀川区では唯一。実際に手で触れて体験できるのもここだけ。来店された方に丁寧にヒアリングして作るお客様カードは、すでにかなりの数に上っています。

子育て中のママが輝ける場所から高齢者や障がい者の方が自分で働き方を選べる場所に

「ママのしごとば」で取り組んでいるのが、小さな子どもを連れて仕事ができる環境づくり。

かつての中井さんも、子育てと仕事の両立に悩む1人でした。「会社の役員をしていた時期があって、子育てしながら会社役員の私ってかっこいい、じゃないですけど…。家事や子育てはほったらかしでもしゃあないやん、という感じでやっていた時期も正直ありました。

でも、コミュニケーションの不足は、明らかに色々な事に影響してきます。子どもの成長は後戻りできないと気付いて、自分が事業をする時は、家の中に会社を作ろうと思いました。行ってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえり、と言えるスタイルに絶対したい。だから今、本社は自宅の1階にあります」。

現在は東淡路と豊里の2つの拠点において、12名のうち9名が子連れで出勤しています。中井さんは20名以上のママたちと面接する中で、「社会から遮断されていると感じる」「何かしたいけれど何ができるのかわからない」「子ども連れで何ができるの」と悶々としているという声を聞きました。中には、報酬も要らないので、何かお手伝いさせてほしいとボランティアで働いているママも。

今いるママたちも都合の良い時間に来て、ママ同士で調整しあって仕事をしています。どういう状態でつまづいたり、悩んだりしているのか、仕事上のやりとりはITツールを使って報告。普通の会社であれば、子どもが急に熱を出しても休むことに気を使い、働きにくさを感じるところ、「ママのしごとば」ではスタッフ同士で交代することができます。みんなが母親同士なので、気持ちを分かちあえ、気兼ねなく働くことができるのです。

共感しあえる環境でチームワークを高め、やりたい事にチャレンジできる職場づくり

「ママのしごとば」が目指すのは、「出来る時に出来るだけの時間の中で、得意を活かし、得意が作れる働き方」。それが実現していることを表す、あるエピソードがあります。

「ママのしごとば」は、大阪NPOセンター主催の「大阪ビジネスコンペ」に出展しました。その中心となってプレゼンテーションをしたのは、中井さんではなく、ママスタッフの柾木さんでした。「彼女は丁寧に着実に仕事を進めていけるタイプ。うちの会社が子連れ出勤を推奨していること、地域の課題に対して子連れのママさんが色々な取り組みをしている事に対して、『コンペに挑戦してみない?』と声をかけたところ、『やったことはないけれどもがんばりたい』と言う事で、挑戦しました」。

柾木さんはパワーポイントの使い方からプレゼンテーションのまとめ方などを猛勉強。コンペは1次選考、2次選考を通過、最終選考では、大阪市のモデル事業とキリン堂賞の二つを獲得しました。「職場は、家族と過ごすより長い時間を過ごす場所。質の高い時間を過ごす方が良いと思うんですよね。彼女も働くことを通じて収入を得ること以上に、チャレンジして成果を得る、という成功体験を得られたことで自信がついたみたいで、私は2つ賞を取れたことですごく満足していたのですが、彼女は『やっぱりグランプリ取りたかったです』と言っていました」。それは他のスタッフにも刺激を与え、柾木さんの受賞をきっかけに、あきらめていた夢に再チャレンジしたいとい申し出たスタッフにも、中井さんは快く了承しました。

水都祭をもう一度!

河川敷の花火で、東淀川を元気に!

中井まひるさんの目標は、東淀川区全体を元気にすること。ゆくゆくは「ママのしごとば」を、高齢者や障がい者の方も働ける場所にしたいと考えています。「目指すのは、働きにくさを感じておられる方が、自分で働き方を選べる環境づくり。閉鎖的な考えをとっぱらえるように世代交代をしていかなければ、今まで通りの地域でしかなくなります。

担い手を育てるということをしないといけない。目標は、17校区ある東淀川全域に拠点を持つこと。東淀川区で17店舗。東淀川全体を見られるやり方をしていきたいと思っています。」

もう一つの大きな取り組みが、水都祭(花火大会)の復活を願う「ひがよど祭り」の花火大会。「(祭)ひがよど実行委員会」での実行委員長を務めている中井さんは、11月13日に開催した花火大会の資金を、クラウドファンディングにて達成。寄付も合わせて目標額200万円を上回る約400万を集めました。

「知り合いやお世話になった方たちからたくさん賛同いただき、東淀川区だけでなく、全国から集まりました。本当にありがたいですね。人間て、具体化していかないと行動の優先順位を上げられない。自分がやらないといけない仕事や子育てよりも優先して物事を進めるのは難しいこと。現実味を感じてもらうために、クラウドファンディングも責任もってやりとげるつもりでした」。自分の優先順位は横に置き、頭の中にリアルな夢を思い描き、実行したことにより、夢を現実化させた中井さん。

8月に開催したイベントの成功が評価され、毎年11月23日に行われる地域のイベントにも大々的にかかわる事になり、多忙を極めています。そんな中井さんに、東淀川で一番好きな場所を伺いました。「やっぱり淀川の河川敷は宝だなと思います。もっと活用して欲しいし、PRしたいなと思っています。許可さえ下りればイベント的なこともどんどんやって行きたいと思っています」。

ところで、中井さんのご主人は、難波にある生パスタの専門店のオーナーシェフ。夜は9種類の味が選べるスペアリブがメインで、こがし醤油が一番人気だとか。「お会計の時に「まひるさんの」と言ってもらえればドリンク1杯無料です(笑)」。

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